June 13, 2004

「山本昌邦備忘録」

現五輪代表監督の本「山本昌邦備忘録」の
文庫本が出たので読んでみた。
単行本版も持っているのだが、
印象的なのは、
山本監督の「水分補給」に対する
専門家としての高い自負。
この点に関するトルシエの無知を
かなり批判している。
長い間、暑い東南アジアの気候に
苦い経験を続けてきた日本サッカーの
経験値なのかもしれない。

そして、p.183からの
「世界基準に身をおくということ」の章が面白かった。

世界との差はまずパス・スピードにあるということ。
これは、つねづね僕も考えていたこと。
昔、三浦知良がセリエAのパスのことを
「シュートをするみたいな勢いでパスする」と
言っていたのを思い出した。

そして、”ゴン”中山雅史が
得点を量産するに至った練習法。
前を向いたまま1回のタッチで
後ろからのパスをシュートに持ち込むための練習だ。
スペイン・リーグとJリーグの大きな差が
後ろからのパスの受け方だと思っていたので、
これも再確認することができた。

もっとも印象に残ったのは、
意外にも山本監督はトルシエを
代表監督として高く評価しているんだなあ、ということ。

オリンピックの年に読むにふさわしい本だった。

[Books&Magazines] Posted by tokuo
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