February 16, 2013

現代のヘンゼルとグレーテル

パティ・スミス著「ジャスト・キッズ 」読了。

   世間という黒い森に足を踏み入れてしまった
   ヘンゼルとグレーテルのような私たち。
   森の中は、夢にも見たことのなかった
   誘惑と魔女と悪魔だらけだったけれど、
   想像もしていなかった輝きに満ち溢れてもいた。
   (441p)

パティ・スミスロバート・メイプルソープ
二人のおとぎ話のような成功譚と、
映画のような離別の悲劇。
ロバートがパティに語ってほしいと願った
「僕たちの物語」は、純粋な愛と
相互理解の美しい絆の軌跡だった。

   「パティ。僕らみたいに世界を見る奴なんて、
   誰もいないんだよ」と、ロバートは繰り返し言った。
   まるで魔法のような時間。
   こんなセリフを彼が言うときは、
   世界に私たち二人だけが存在しているように思えた。
   (157p)

パティがロバートと過ごした最後のシーンは、
メイプルソープの評伝にも出てきたけど、
悲しくも美しくて泣けます。
二人の作品を愛する人は必読ですね。

しかし、
見るからにヘロインを
やってそうなタイプに見えるパティが、
尖端恐怖症で注射器を
見るのもイヤだとは知らなかった。
それを知った周りの人たちが
驚くのが面白い。

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July 20, 2012

要約と文体と

「小田嶋隆のコラム道」を読了。

いわゆる文章読本だが、
読んで面白いのは珍しい。
ウェブ上の週刊連載で
ふらふら休載しながら続いていくのが、
まるで仕組まれているかのようだ。

”次回の話題は
「モチベーション」ということにしよう”
とキッパリ断言しておきながら、
次の回が3ヵ月後だったりして、
書き出しがほとんど言い訳で
始まっているのも味わいになっている。

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May 28, 2012

理想の旅

「マティスを追いかけて」を読了。
トイレで長い時間をかけて
少しずつ読んだ(笑)。

   「われわれが日常見ているものはすべて、
   多かれすくなかれ、それまでの人生で
   身についてしまった習慣によって、
   ゆがめられている」

というマティスの言葉に触発されて、
”家を売り、妻とともに画家マティスの
足跡をたどる1年間の旅に出た”という本。
マティスの思考を現地で追体験しながら、
”見ること”の真髄に近づくことができたようで、
うらやましい。

こんな旅がしてみたいですね。


May 27, 2012

クラシック音楽の師

   吉田秀和さん死去=音楽評論家、教育にも尽力-98歳

クラシック音楽を聴き始めたとき、
「レコード芸術」の連載エッセイで
クラシックの楽しさを文章で教えてもらった。
「世界の指揮者」「世界のピアニスト」などの本で
音楽の深さを教えてもらった。

ありがとうございました。
合掌。


February 23, 2012

写真の秘密

ロジェ・グルニエ「写真の秘密」を読了。

軽いエッセイなので
短すぎてうまく意味の取れない
文章もいくつかあるが、
深い思索を感じさせる
気になったフレーズをまとめてみる。

   「だれかを写真に撮ることは、
   その人物を少しばかり奪い取ることにほかならない」

ん? どこかで聞いたようなセリフ。
「さよならを言うことは、
少しだけ死ぬことだ」だっけ?

   「観光客は一体どうして、
   エッフェル塔の写真を撮るのだろう?
   ーーエッフェル塔の写真など
   山ほどあるとういうのに。」

答えは、

   「それは、エッフェル塔を
   わが物とする必要からだ。
   いとも名高きあの建造物を、
   「自分の」カメラがキャッチするのだ。
   …シャッターを押すことによって、
   世界が自分の所有となるがごとき
   感情を抱いているのだから」

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December 16, 2011

「石の想像力」に生きたブラッサイ

今橋映子「ブラッサイ―パリの越境者」を読了。

写真家・ブラッサイを
20枚のイメージだけで語りつくした本。
写真家としてだけでなく、
彫刻、言葉への関心、
生涯を貫く「石の想像力」というテーマなど、
著者独自の視点で切り込んだ力作。

ピカソ、ジャコメッティ、
ヘンリー・ミラーなど、
ブラッサイの沢山いる友人たちの
ファンにもオススメの本です。


December 01, 2011

「スティーブ・ジョブス」を読み終えて

遅まきながら「スティーブ・ジョブズ」を読了。

ジョブズの言葉はもちろんだが、
アップル初期からのパートナー、
マイク・マークラの言葉が光っていた。

「金儲けを目的に会社を興してはならない…
真に目標とすべきは、
自分が信じるなにかを生み出すこと、
長続きする会社を作ること」

そのための3つのポイントが、
「共感、フォーカス、印象」。

著者アイザックソンの見解が
反映しすぎているかもしれないが、
その後のジョブズの軌跡を暗示している。

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October 08, 2011

最近読み終わった本④

大沢在昌「絆回廊 新宿鮫X」

長期刑を終えて新宿に帰ってきた
無骨な男が過去を甦らせる。
様々な登場人物に大きな転機が訪れ、
それがまた絡み合ってくる。

これまでのシリーズを読んでいる人なら、
読み逃せない。

しかし、
シリーズを最初から全部読んでいるのは、
大沢在昌さんの新宿鮫と、
レイモンド・チャンドラーの
フィリップ・マーロウ、
ロバート・B・パーカーの
スペンサー・シリーズだけかな?


October 06, 2011

最近読み終わった本③

マイケル・オンダーチェ
「映画もまた編集である――ウォルター・マーチとの対話」

ゆっくり読むのにいい本。

映画「イングリッシュ・ペイシェント」
「ゴッドファーザー」「地獄の黙示録」「同・完全版」
が好きなら必読だ。
「イングリッシュ・ペイシェント」の作家、
アカデミー賞の編集賞と録音賞を
受賞しているウォルター・マーチ
ディテールへのこだわりを
うまく引き出している。

これが凄い。映画の観方が変わります。

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October 04, 2011

最近読み終わった本②

今橋映子「<パリ写真>の世紀」

トイレに置いておいて
1年くらいかかって読んだ本(笑)。

アジェ、ブラッサイ、エルスケン、
ブレッソン、ドアノー、クライン等の、
パリをテーマにした写真家達を貫く
文化的背景がスッキリと見えてくる。
書名が、なぜ「パリ<写真の世紀>」ではなく
「<パリ写真>の世紀」なのかが明らかになる。
写真集が好きな方にオススメです。


September 30, 2011

最近読み終わった本①

野村進「島国チャイニーズ」

日本に在住する中国人の
闇と希望をともに描いているが、
希望がまさりつつあるようで
未来に期待が持てる。

いちばん心に残ったのは、
「現代中国人の行動パターンを見ていくさい
念頭に置いておくべきふたつの点」。

それは、
「文化革命」と「一人っ子政策」。

「コリアン世界の旅」
とともに必読の書です。



August 14, 2011

明暗

「ゴダールと女たち 」(四方田犬彦・著)を読了。

「勝手にしやがれ」「気狂いピエロ」
「カルメンという女」「ゴダールのマリア」
などいくつかの映画は好きだが、
ゴダールの作品をすべて観ているわけではない
ミーハーなファンのぼくにも
面白い本だった。


しかし、
今も現役の大女優アンナ・カリーナ、
作家として確固たる地歩を築いている
アンヌ・ヴィアゼムスキー、
成功し続けるジェーン・フォンダ、
今もなお
ゴダールの同伴者として歩み続けている
アンヌ=マリ・ミエヴィルと対比して、
悲惨の極みで亡くなった
ジーン・セバーグの人生が悲しい。

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November 24, 2010

高度成長の意味

「「戦後」を点検する」を読了。

たしか
どこかの書評で興味をひかれて読んだが、
もっとも印象に残った箇所も一緒のようだ。

「後藤田さんは
毎日国会を取り囲んでいるあのデモを見て、
官僚としてどう思いました?」

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August 26, 2010

デジタル森山大道

森山大道 「路上スナップのススメ」を読了。

写真を撮りながらのストーリーが興味深い。
コンパクトカメラで撮影して
もともとカメラにこだわっていない森山は、
銀塩にもまったく拘っていないのが 面白い。

デジタルでスナップを始めようとする人への、
「撮ったものをいちいち見返すな」
というアドバイスも印象に残る。

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May 15, 2010

BOOK 4の可能性

「1Q84 BOOK 3」を読了した。
この巻はとても読みやすい。
るで普通のミステリーのように。

すでに2冊の本を読んで、
SF的なパラレルワールドの設定=「二つの月」や、
「空気さなぎ」の世界を受け容れて
しまっているからなのだろうか?

あたかも、「巨人の星」で
星飛雄馬の超絶コントロールを受け容れてしまえば、
消える魔球がリアリティを持つのと同じように。

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April 29, 2010

岡田ジャパンの欠陥

武藤文雄のサッカー講釈で教えてもらった、
「世界が指摘する岡田ジャパンの決定的戦術ミス」
を読み終えた。
これがなかなか面白かった。

「イタリア人監督5人が
日本代表の7試合を徹底分析」
という副題があらわすそのままに、
守備についてかなり意識的なイタリアの監督が
日本代表の試合を綿密に分析している。

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April 26, 2010

読み物の”はしか”

津野海太郎「したくないことはしない」を読了。
副題は、「植草甚一の青春」だ。

「太宰治は、だれもが一度はかかる
”麻疹(はしか)”のようなものだ」
とはよく言われる。
フィクションの麻疹が太宰なら、
エッセイの麻疹は植草甚一だろう。

彼の編集者だった津野海太郎が
植草甚一がカギカッコ付きの
”植草甚一”になるまでの軌跡を
たどったのがこの本だ。

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February 03, 2010

うっかりしてたら・・・

ロバート・B・パーカー死去していた
18日には亡くなっていたようだが、
今日の夕刊の追悼記事でようやく知った。

スペンサー・シリーズに限るが、
すべて読んでいる作家は彼だけかも。
77歳だというからしょうがない気もするが、
最近の新作「プロフェッショナル」
読んだばかりなので信じられない気持ちだ。

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November 14, 2009

権力の威力

「リクルート事件・江副浩正の真実」を読了。

長期拘留と再逮捕をちらつかせて、
強引に調書を取る検察の手口に寒気を覚える。
”国策捜査”でなくとも、”決めつけ捜査”で
人生を台無しにされてはたまらない。

「お笑い大蔵省極秘情報」とともに、
日本の権力機構を考える必読書だと思う。

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September 17, 2009

「1Q84」のBOOK3執筆中!

やはり、村上春樹が、
「来夏めどに第3部」を執筆中だという。

   「バッハの『平均律クラヴィーア曲集』をフォーマットにしたのは、
   もともと2巻で完結と考え、そうしたわけです。
   でもしばらくして、やっぱり3を書いてみたいという気持ちになってきた。」

そうだとすると、BOOK4は再来年?


June 10, 2009

村上春樹に夢中になって

「1Q84」( BOOK 1 BOOK 2)を読了。
初期の村上春樹の愛読者で、
しばらくちゃんと読んでこなかったが、
今回は2冊をほぼ3日で読み終えてしまった。

先日、
村上訳による
チャンドラーの「さよなら、愛しい人」
読んだばかりだった。
以前読んだ「ロング・グッドバイ」は、
会話の口調が
今ひとつ気に入らなかったが、
この話ではマーロウも若いせいか、
テンポが良くて楽しめる。

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February 20, 2009

小説家の心意気

先日のエルサレム賞授賞式での
村上春樹さんの発言
話題を呼んでいるようだ。

正確な全文
なかなか手に入らなかったことで、
かえって、
興味をそそった面もあったかもしれない。

しかし、
彼の小説家としての立ち位置、
自分の役割についての認識が
明快に示されている。
彼の小説群の軌跡に、
一本の太い”貫く棒の如きもの”、
つまり、
小説家の心意気をかいま見た気がする。

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February 15, 2009

”煮込み”賛歌

今日は久しぶりに
僕のカレー”をチキンで作ったが、
なんとかおいしくできた。

指がカレー臭を放っているが、
食事を終えてから、かねて買ってあった
「東京煮込み横丁評判記」を読了。

「”居酒屋”の定義は?」
と聞かれたら、
「煮込みがあること。ホッピーがあれば完璧」
と答える。

だから、この本を読みながら、
ノドがしきりに渇き、
ツバキを飲み込み続けていた。

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January 22, 2009

本の奇跡

どこの会社か忘れたが、
たしか出版社の広報誌の編集後記だった。
「ボン書店の幻」が褒められていた。
文庫化に当たって
「文庫版のための少し長いあとがき」が加筆されていて、
そこに”本が起こす奇跡”が書かれている、と。

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May 29, 2008

アテンションの奪い合い

「グーグルに勝つ広告モデル」を読了。

マスメディア、ひいては
すべてのメディアについて考える
分かりやすい視点を提供してくれる本だ。

中心となる考えはひとつ。

   テレビ、新聞、雑誌、ラジオの4マスメディアの
   ビジネスモデルの本質は、大衆の注目の卸売です。
   英語でいうアテンションを集めて卸売りしている、アテンション・エコノミー、
   これが20世紀型マスメディアの本質です。

この考えを軸に
マスメディアの現状と今後の推移予測、
そして将来への対応策を論じている。

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May 18, 2008

「生命とは何か」を探す旅

「生物と無生物のあいだ」を読了。

「生命とは自己複製システムである」
「生命とは動的平衡にある流れである」

本書のテーマはこの2つに要約される。
その発見に取り組んだ人々の列伝と
著者自身の経歴を織り込んだ
ミステリー仕立てのエッセイに
しているところが素晴らしい。
帯に「読み始めたら止まらない」
とあるとおりだ。

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April 28, 2008

中国茶の店でランチ

日曜日のランチは妻と
吉祥寺に最近オープンした
「月和茶(ゆえふうちゃ) 吉祥寺店」へ。
「台湾cafe & dining」というのがコンセプトで、
経堂にある店の2号店だという。

お茶がウリの店のようだが、
お腹が減っていたので、
ランチ・メニューから、
台湾風肉煮込みかけご飯=
楊家魯肉飯900円楊家魯肉飯900円と、
特製肉味噌のせ汁ビーフン=
台湾肉醤米粉湯850円を頼む。

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March 30, 2008

満開の桜の下で

昨日、
井の頭線の急行の1両目
中ごろに乗って本を読んでいたら、
汽笛が鳴った。

ふと目を上げると、
電車はどこかの駅にさしかかるところ。
ブレーキもかけているようだ。

その後、
ドーンという衝突音のあとに、
車両の下を
カラカラという音が走り抜けていった。

人身事故だった。

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January 28, 2008

うどんを食べた後にサッカーを考える

昨日、日曜日の昼は
荻窪「手打ちうどん 豚や」再訪

ぼくは豚ねぎ塩ぶっかけうどん1000円
妻は豚肉うどん(関西風)白950円。
(今年になって、値段が上がったようだ)

おいしく食べて、
お腹が一杯になったが、
夜にはお腹が空いたから
消化がいいのだろう。

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October 27, 2007

作家のエッセイ2冊

村上春樹が
ランニングについて書いた
「走ることについて語るときに
僕の語ること」

を読んだ後に、
カート・ヴォネガットの遺作
「国のない男」を読了。

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October 09, 2007

神楽坂のビストロ

「銀座KANSEI」の坂田シェフのブログで知った、
「もっと気楽にフレンチへ」を読んでみた。

気軽に読めて、
フレンチ料理を無性に食べたくなる
楽しい本だった。

なかでも、
神楽坂のビストロを紹介した章は、
行ってみたい店が目白押し。

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October 08, 2007

植草甚一/マイ・フェイヴァリット・シングス

今日は雨が降って
荒れるという天気予報で、
下手をすると一歩も外に出ないことに
なりそうだったので、
世田谷文学館標記の展覧会
クルマで観に行った。

文学館の駐車場は、
車ごとエレベーターで
地下駐車場に降りるタイプ。
雨にも濡れずに快適だ。

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September 08, 2007

”弱い”三島由紀夫

梅田望夫さんのエントリーで興味を持った
「「兵士」になれなかった三島由紀夫」を読了。

中学生の時に、
午後一番の授業が始まるのを
ザワザワしながら待っていたわれわれを
ちょっと遅れてやってきた先生が、
「お前らが下らない話をして
騒がしくしている間に、
世間では大変なことが起こっているんだ。
三島由紀夫が自決したんだぞ」
と叱ったのをよく覚えている。

それが1970年11月25日。
ぼくは13歳だった。

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July 13, 2007

”闇社会の守護神”と呼ばれた男

最近、幻冬舎がしきりに宣伝をしている
田中森一<「反転—闇社会の守護神と呼ばれて」を読了。

とにかく面白い!

「伝説の特捜エースは、
なぜ『裏』世界の弁護人に転向したか」
の惹句そのままに、
”正義”を信じる前半と、
”悪”にも人情を感じる後半生が
対照的な自伝。

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June 03, 2007

演奏家はすでにそこにいる

「吉田秀和全集〈4〉現代の演奏」を読了。

けっこう読むのに時間がかかったが、
ゆったりと噛みしめるように
演奏のあり方について
思考を進めていく刺激的な本。

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March 27, 2007

春樹調のマーロウ

村上春樹の新翻訳になる
「ロング・グッドバイ」読了。

途中からストーリーに魅了されたが、
前の清水俊二訳に慣れていたせいか、
読み始めは翻訳のトーンに違和感があった。

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March 06, 2007

理論が現実を変える?

どこで見たのか忘れたが、
ブログで紹介されていた
西成活裕「渋滞学」を読了。

車の渋滞をどう理解するかから始まって、
人やアリの行動からネットワーク上の渋滞まで
世の中の様々な”渋滞”を横断的に理解するための
”渋滞学”のおおまかな全貌を紹介している。

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January 06, 2007

ペルシア料理の味わい

これもまた
光文社のPR誌の特集に載っていた
マーシャ・メヘラーン「柘榴のスープ」を読了。
(だれが薦めていたか忘れてしまいました)

イラン革命の混乱を逃れてきた3人姉妹が
アイルランドの田舎町にペルシア料理の店を開く。
その場所は、この町の実力者が
ディスコを開こうと狙っていた場所だった・・・。

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December 27, 2006

音楽と人生

村上春樹の音楽評論集
「意味がなければスイングはない」を読了。

「ステレオサウンド」に連載されていたのは
知っていたが、ちゃんと読んでいなかった。
先頃、
光文社のPR誌「本が好き!」No.7の
「45人が勧める今年読んだ『最高の1冊』」の中で、
野地秩嘉氏が勧めていたので、買ってみた。

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October 14, 2006

ダイドー、かく語りき

写真家・森山大道の
「昼の学校 夜の学校」を読了。
評論家・山崎元氏のサイト
とてもよさそうに薦めていたので、
読んでみた。

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August 23, 2006

作家の読書術

平野啓一郎「本の読み方
スロー・リーディングの実践」
を読了。

作家による”アンチ速読”のすすめ。

単なる「小説の読み方」かと思ったら、
赤ペンなどで傍線や印をつける
読書のすすめまであって、
かなり応用の利く読書術だった。

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August 20, 2006

共産主義と神学の関係

佐藤優「自壊する帝国」を読了。

ソ連崩壊の裏側を面白く語っている
ドキュメンタリーだ。
神学を学んでいたことが
佐藤氏の意外な武器になるというところが
人生の皮肉を感じさせる。

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母性禍

藤原新也「渋谷」を読了。

「渋谷センター街」という砂漠で
渇ききった少女たちの気持ちを
理解しようともがく藤原新也。
著者がたどり着いた”原因”は
”母性禍”だった。

   ただひたすら世間の価値観を押しつけるまなざしを
   子供に投げかけることによって子供を追いつめ、
   逆に子供の居場所や存在を奪っている。

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July 08, 2006

皿の気持ち

   ゆかにおちてわれたとき
   さらはしめたとおもったのだ
   これでおれはさらじゃなくなった
   もうチャーハンをのせなくていいし
   オムレツをのせることもない

「すき—谷川俊太郎詩集 詩の風景」を読んで、
この詩に魅せられた。

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June 24, 2006

よく生き、よく死ぬために

「モンテーニュ私記」を読了。

かつて、
岩波文庫版「エセー」を読みふけったことがあった。
古典を引用しながら、
人生の各側面に思いを巡らせる
そのゆったりとしたリズムが気持ちよい。

   「私の仕事と私の技術、それは生きることだ」

   「私はほかの主題よりいっそう私を研究する。
   これが私の形而上学であり、自然学である」

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June 04, 2006

「ヤバい経済学」への反感

今日の日本経済新聞に載った
「ヤバい経済学 ─悪ガキ教授が世の裏側を探検する」
の書評が面白かった。
前に書いたような
反感を感じるタイプの典型だったからだ。

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「自社株食い」の闇

「ヒルズ黙示録—検証・ライブドア」を読了。

村上ファンドに翻弄される
ライブドアや楽天など
六本木ヒルズ族の姿が印象的。

それとライブドアの錬金術の秘密が
ある程度分かった。

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May 11, 2006

読みますか?

「Freakonomics」の翻訳、
「ヤバい経済学 ─悪ガキ教授が世の裏側を探検する」を読了。

内容は前に紹介しているので触れないが、
この本をはじめて読んだら
かなりの人が反感を感じること必至だ。

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May 07, 2006

GWに読んだ本2冊

この連休は、まず、
「黒田清 記者魂は死なず」を読んだ。

大阪読売新聞社会部で、
客観報道というよりも
生身の生きている人間を伝えようと奮闘した
ジャーナリストの評伝。

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May 05, 2006

宮廷料理人の生涯

「宮廷料理人アントナン・カレーム」を読了。
休み休み読んでいたので、
だいぶ時間がかかってしまった。

スラム街から身を起こして
ロシア、イギリス、フランスを股にかけて
活躍する大シェフになった宮廷料理人、
アントナン・カレームの伝記。

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May 01, 2006

「フリーコノミクス」を日本語にすると?

前に紹介した「Freakonomics」の邦訳が
東洋経済新報社から発売された。
まだ買ってもいないが、
邦題が
「ヤバい経済学 ─悪ガキ教授が世の裏側を探検する」だという。

あまり感心しないタイトルだが、
これで、売れるんでしょうか?


April 23, 2006

蘇る「ブレードランナー」

「『ブレードランナー 』論序説」を読了。

何がきっかけだったか忘れたが、
思い出したように買って読んでみた。

ほとんど全てのシーンについて
写真付きで逐次解説を加えているので、
ぼくの好きなこの映画の各シーンが
頭の中に鮮明に蘇ってくる。

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February 28, 2006

大変化の時代に

梅田望夫さんの「ウェブ進化論」が、
ネットで大きな話題になり
書店でよく売れているらしい

ほとんどは、
彼の過去のブログ「英語で読むITトレンド」
現在の「My Life Between Silicon Valley and Japan」
書かれていたことだが、
まとまってみると頭の整理に役立つ。

こういった”変化の時代”についての本を読むと、
ドラッカーの言っていた
言葉の意味が重みを増してくるのが分かる。

   「変化はコントロールできない。
   できるのはその先頭に立つ事だけである」


February 22, 2006

砂漠のミイラ

探していた本
秋谷豊「砂漠のミイラ」が
注文してからまる1日ほどで
北九州市の「書肆アモルフ」から届いた。
amazonより速いかも?!

[クウネル]3月1日号に出ていた
「海月書林」もそうだが、
ネットの古書店というのも
なかなか面白そうだ。

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February 19, 2006

探していた本

以前
朝日新聞で記事を読んだ
秋谷豊氏の詩「クレバスに消えた女性隊員」が
載った本を探していた。

ログを見ると、
”クレバスに消えた女性隊員”や
”白水ミツ子”のキーワードで
この詩を探している人が
このサイトにも時折来ているようだ。

Googleで探したら、
埼玉県立図書館の調査・相談(レファレンス)の
事例紹介に記載されていた

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February 08, 2006

やっと作れた!

日曜日に以前に買っておいた
料理本「テリーヌ!テリーヌ!テリーヌ!」を見ながら
いちばんシンプルで基本となる
パテ・ド・カンパーニュを作ってみた。

豚バラと肩ロースのスライスを
包丁でミンチにして、
塩・胡椒、牛乳に浸したパン粉、
炒めたタマネギ、ナッツ(今回はクルミ)などと混ぜて、
粘りが出るまでこねる。
それをパウンド型に入れて
オーブンで湯煎にして1時間蒸し焼きにする。

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February 05, 2006

リゾットに挑戦

先日買った本
「リーゾ—本場リゾット名人が伝授するイタリアの米料理」を見て
もっともシンプルなリーゾ・パルマを作ってみた。

とはいっても、
本格的なブロードを作るのは大変なので、
なんとコンソメ・キューブで代用。
白ワインも手元になかったので日本酒。
いい加減きわまりないが
出来上がったものはそれなりにおいしかった。

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January 29, 2006

天才ピッチャーの軌跡

「ただ栄光のために—堀内恒夫物語」を読了。

どこで薦められていたのか
また忘れてしまったが、
一読して、
堀内恒夫というピッチャーを見直した。
彼がいかに巨人の9連覇(そのうちの8連覇)に
貢献していたか、それが一目瞭然だ。
前半は
わが郷土の英雄のスカッとする人生を
スカッと描いている。

それが、
9連覇の次の年から暗転する。

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January 28, 2006

ドストエフスキーはお好き?

どこで紹介されていたのか忘れてしまったが、
加賀 乙彦「小説家が読むドストエフスキー」を読了。

小説作法的な視点から
ドストエフスキーの主要な作品を分析して
分かりやすく解説してくれる。

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January 12, 2006

キャメロン・ディアスは相対性理論の夢を見るか?

2005年のベスト書として
何人もから推薦されていた
E=mc2 世界一有名な方程式の「伝記」を読了。

アインシュタインの相対性理論を
   E=mc2
という数式ひとつを示すだけで
描ききった傑作。

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January 09, 2006

ユーモアの効用

ヤンキース監督ジョー・トーリの本
「ジョーからの贈りもの—若きサムライとの日々」を読了。

スポーツライターの二宮清純氏が
”2005年の3冊”のうちの1冊として
推薦していたので読んでみた。

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January 01, 2006

新年を迎えて

昨年末、
楽天監督に就任ということで話題の
野村克也「野村ノート」を読了。

野村氏が
監督をやっていくうえで従っている
5原則があるという。
要点をまとめてみる。

   1.「人生」と「仕事」は常に連動している
   2.人生論が確立されていないかぎりいい仕事はできない
   3.野球をやるうえで重要なのは「目」「頭」「感性」の3つ
   4.技術的能力の発揮には「コツ」「ツボ」「注意点」の3つが重要
   5.無形の力をつけよ。技量だけでは勝てない

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December 14, 2005

「オシムの言葉」がブログで大人気

久しぶりに、
ブログでの評判やクチコミを検索するサイト
テクノラティを見てみたら、
先日紹介した本「オシムの言葉」のタイトルが
”最も検索されている話題”の8位にランクされている。

どうもテレビで紹介されて
売り切れ状態になっているらしい。
amazonのレビューを見ても
ほぼ絶賛の嵐だ。

やはり、
誰が読んでも感銘を受ける本に
なっているといえると思う。


December 04, 2005

オシムにとっての”言葉”の意味

「オシムの言葉—
フィールドの向こうに人生が見える」
を読了。

ストイコビッチを主将とする
伝説のユーゴスラビア代表を率いた
オシムの栄光と挫折。
ユーゴスラビアが崩壊し、
内戦が起こる中での苦悩。

以前に紹介した
「ディナモ—
ナチスに消されたフットボーラー」
と並ぶ、
サッカーと人生を考えるのに
極めて有用な本だと思う。

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December 02, 2005

ああ間違い!

先日、amazonからメール便が届いた。

あけて見たら、
中に入っていたのがビックリ!

「マンガでわかる離婚 知識から手続きまで」

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October 30, 2005

有名人の食卓を覗く

四方田犬彦「ラブレーの子供たち」を読了。

著名な人物や芸術家たちが愛した料理を
実際に再現して食べてみるという連載を本にしたもの。
その出来はやや玉石混淆だと思うが、
興味深い料理も沢山あった。

冒頭のロラン・バルトの章では、
天ぷらがとりあげられている。

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October 08, 2005

731部隊を探して・・・

細菌戦を研究していた731部隊と
その隊長・石井四郎についての本「731」を読了。

下山事件に続いて、
”闇”シリーズ第2弾とでもいうべき本だ。

石井本人による新発見のノートに基づいて
731部隊の実際の姿と
戦後のGHQやソ連との駆け引きの実体を
綿密な取材で描き出している。

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September 18, 2005

白州次郎の表の顔

先日読んだ「下山事件—最後の証言」に続いて、
「白洲次郎 占領を背負った男」を読了。

「最後の証言」に書かれているような
白州次郎の裏面史は描かれていなかった。
さっそうたる白州次郎の”偉人伝”となっている。

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September 15, 2005

下山事件の真相と深層

柴田哲孝「下山事件—最後の証言」を読了。

オウムを描いたキュメンタリー映画「A」で知られる
森達也の「下山事件」も面白かったが、
真相解明という意味ではモヤモヤしたものが残った。

この「最後の証言」は、
その森達也が依拠した”最後の証言者”が
自分で書いた本だ。
だから、よりはっきりと
下山事件の裏側が描かれている。

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August 27, 2005

シニカルなエコノミストの怜悧な分析

「Freakonomics」を読了。
7月初旬に届いてから1ヵ月半かかった計算になる。
6章に分かれたそれぞれのテーマを
読み終わるたびにやや一段落して、
他の本を読んだりしたために時間がかかったが、
話は面白いし、英語もそんなに難しくはない。
(regression analysis=回帰分析、など専門用語はあるけれど)

タイトルが、
Freak+EconomicsでFreakonomics「フリーコノミクス」。
副題が、
「 A Rogue Economist Explores the Hidden Side of Everything」。
「変わり者エコノミストが様々なデータの知られざる側面を暴く」
とでも訳すのだろうか?

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August 01, 2005

今日も”素パスタ”でランチを

最近しきりに試しているのが、
「素パスタがおいしい。」に掲載されているレシピ。

スパゲティを茹でてパルミジャーノをかけ
塩と胡椒で味を調えるだけのもの。

生にんにくをつぶして
オリーブオイル、塩、胡椒と
混ぜ合わせただけのパスタ。

これがどれもおいしい。

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June 11, 2005

そんなに怖くない?

「ひかない魚—消えてしまった「きよ田」の鮨」読了。

2000年で店を閉めてしまった伝説の店
「きよ田」のご主人本人による回顧ばなし。
一気に読んでしまった。

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May 28, 2005

熱血コーチから学ぶもの

「マネーボール」の著者マイケル・ルイスの
新刊「コーチ」は小著だが読み応えがある。

この本の主人公は、
マイケル・ルイスがニュー・オーリンズの高校で
野球をしていたときの指導者、コーチ・フィッツだ。

マイケルの同窓生が
「母校の屋内運動場を改築して
”コーチ・フィッツ”の名前をつけよう」と提案するが、
一方で、フィッツをくびにしろという声が
現在の生徒や父兄から出ているという話を
マイケルが聞きつけて事情をたずねてまわる。

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May 20, 2005

一気に読める「半島を出よ」

ちょっと前になるが、
村上龍「半島を出よ」を読了した。

この小説の評価については
賛否両論あると思うが、
北朝鮮の反乱軍が福岡を占拠、
九州を制圧しようとするという
設定は秀逸と思う。

実際に、
このシチュエーションで日本の首相だったとして、
どう対応できるかを考えてみても
けっこう難しいと思う。

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March 17, 2005

”時代の寵児”の蹉跌

最近公開の安藤昇を描いた映画
「渋谷物語」にも登場する花形敬を取り上げた本が
「疵(きず)―花形敬とその時代」だ。

この本については以前書いたが、
その著者、本田靖春さんの名作
「不当逮捕」を再読した。

戦後の混乱期に活躍した
型破りの花形記者、
読売新聞社会部・立松和博の栄光と挫折を
間近で見ていた筆者が、
愛情だけでなく
厳しい第三者的な視点も忘れずに
描ききった傑作だと思う。

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March 12, 2005

うれしい名作エッセイの復刊

書店に行ってみたら、
うれしいことに
伊丹十三のエッセイ3作が
新潮文庫で復刊されていた。

「ヨーロッパ退屈日記」
「女たちよ!」
「問いつめられたパパとママの本」

伊丹十三は最近は映画監督としての方が
とおりがいいかもしれないが、
俳優として1960年代から
ヨーロッパで暮らした著者が、
当時としてはとてもモダンな感覚と
ほのかなユーモアを発揮した
これらのエッセイをぜひ読んでもらいたい。

伊丹監督の映画にも通底する
雑学とユーモアのミックスが心地いいはず。

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March 07, 2005

ジャーナリスト、ジャーナリスト志望は読むべし

本田靖春さんの絶筆
「我、拗ね者として生涯を閉ず」を読了。

記者になってからの
”ひとすじ”の人生に頭が下がる。

「記事の良し悪しを分けるのは、
主観の優越にかかっている、
という考えの持ち主」
である本田さんに、
賛同するにせよ反対するにせよ、
一度は読んでもらいたいと思う。

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February 24, 2005

いちばん印象に残っているデートは?

最近、「対岸の彼女」
で直木賞を受賞した角田光代さんといえば、
「All Small Things」だ。
(とはいっても、彼女の小説は
ほかに読んだことがないのだけれど・・・)

雑誌「FRaU」に小さな冊子付録として
付いていたものがになっている。

「ねえ、今までで一番印象に残っている
デートって、どんなの?」

「あなたの記憶のなかで、
もっともデートとはいえないような
デートってどんなの?」

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February 05, 2005

”ソフトウェア”の喧嘩?

ふと思い出して、むかし読んだ
「ソフトウェア考現学」
amazonのマーケットプレイスで買って読みかえした。

サブタイトルの
”基礎概念への最新おもしろガイド”そのままで
コンピュータの基礎的な考え方から
当時の最先端の考えまで分かりやすく教えてくれる。

しかもその文章が気が利いていて面白い。

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January 24, 2005

ボブ・ディランのお祖母さんの言葉

NYタイムズの書評欄で
「2004年度ベスト本10」にあげられていた
Bob Dylanの「Chronicles, Vol. 1」に印象的な言葉がのっていた。

彼の母方の祖母についてこう語っている。(P.20)

   She was filled with nobility and goodness,
   told me once that happiness isn't on the road to anything.
   That happiness is the road.
   Had also instructed me to be kind
   because everyone you'll ever meet is fighting a hard battle.

「どこかに行く道の途中に幸せがあるわけじゃない。
その道そのものが幸せなんだ」
という言葉はつねに忘れずにいたい。

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January 16, 2005

安藤昇、花形敬、若尾文子

映画「渋谷物語」の公開が近いせいか
僕のサイトのログをみると
「安藤昇」「花形敬」の検索で
やってくる人がけっこういるようだ。

ご期待には残念ながら沿えていない
と思うと申し訳ない。

また、「若尾文子」で検索してくる人も
かなりいる。
テレビドラマや「男はつらいよ」とは違った
若尾文子を観られるDVDやビデオ
かなりあるようだ。
あまり彼女の映画を観ていないが
”艶っぽい若尾文子”を探してみたい。

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[Movie] Posted by tokuo | permalink | Comments (78) | TrackBack

サッカーと祖国

「ディナモ—ナチスに消されたフットボーラー」を読了。
朝日新聞の読書欄評者による
「2004年の3冊」みたいな特集で
何人かがすすめていたと思う。

ナチス・ドイツのソ連侵攻時に
「ソ連のパン籠」と呼ばれたという肥沃な地帯
ウクライナの都市、キエフでの”奇跡と絶望”の物語だ。

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January 11, 2005

ミシュランの裏側

「裏ミシュラン」はアッという間に読んでしまった。

ライバルの「ゴー・ミヨー」から引き抜かれて
16年間、ミシュランの調査員をつとめたという
著者があかす三つ星の裏側。

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January 09, 2005

楽しみな本

年末にamazon.co.jpから、僕がもっとも好きな写真家
ジュリア・マーガレット・キャメロンに関する本2冊が届いていた。

Julia Margaret Cameron: The Complete Photographs
Julia Margaret Cameron: A Critical Biography

大著なので、開いて見るのがなかなか大変だが
とりあえず評伝の方の写真を眺めてみた。

彼女としては後期のセイロンで撮った写真が
まるでUwe Ommerがアフリカで撮った写真
同時代のもののように見えて面白い。


「源氏知らず」の「源氏」のお勉強

岩波新書「源氏物語の世界」を読了。

源氏物語は学校の授業で読んだ以外は
谷崎潤一郎が現代語に訳したものを
第一巻だけ買って挑戦したことがあるくらいだと思う。

たしか朝日か日経の読書欄の
2004年のおすすめ本特集の中で
何人かが紹介していたのが
「源氏物語の世界」だった。

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January 08, 2005

バーの裏側でバーテンダーが考えていること

「スタア・バーへようこそ」を読了。

銀座でバーを開いているバーテンダーの岸久さんが
カクテルやモルト・ウイスキーなどのお酒のウンチクから
銀座のしきたりまで分かりやすく教えてくれる。

基本的には、
あまりバーに行ったことのない若い読者のための本だけど、
バー・カウンターの向こう側でバーテンダーが考えていることが
よく分かって面白い。

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December 15, 2004

カクテルを勉強したくて

以前、本屋で見つけた
「五本でできるカクテル講座」
先日読み終わった。

その「五本」とは、
 ウォッカ、
 カルーア(コーヒーリキュール)、
 コアントロー(ホワイト・キュラソー)、
 ミント・リキュール、
 そしてもう1本はとりあえず保留
とのこと。

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November 17, 2004

”確率で考える”本

まず、問題です。

Q:
前年2割5分だったバッターが
今年3割(400打数120安打)を
たたきだしたとき、
その偶然確率(たまたまそうなる確率)は?

A:
1.3%

そのこころは?

簡単に読める小さな本
「クイック・データアナリシス
—10秒でできる実践データ解析法」

を読むと分かります。

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October 27, 2004

ヨーロッパの幸せな日々

かつてリブロポートから出ていた
僕の大好きな本「優雅な生活が最高の復讐である」が
新潮文庫から出ていた

ピカソやヘミングウェイやフィッツジェラルドを魅了した
”生活の達人”、ジェラルド&セーラ・マーフィー夫妻の
アメリカを離れてヨーロッパで暮らした日々を描いた本だ。

小口をピンクに染め、
”組版設計”のクレジットまであった
旧版の凝った造りにはとうてい及ばないが、
文庫もまあまあしゃれていると思う。

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October 18, 2004

これは美味しい! おすすめイタリア料理本

載っているレシピを試して
とっても美味しい料理ができた本が、
最近購入した「イタリアンのシンプルレシピ」

amazonのページには著者表記がないけど、
数多くのイタリア本を出している
タカコ・半沢メロジーさんの本だ。

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October 17, 2004

「電車男」出版

いつも新しい技術トレンドを教えてくれる
梅田望夫氏のこのページで知った、
「電車男」がになるそうだ。

電車の中で知り合った女性と
付き合いがはじまったオタク青年が
2chの掲示板にアドバイスを求め、
その書き込みの協力で
ハッピーエンドになるまでを
描いたもの

圧巻は、
最後の”文字絵”による賞賛のスレッドだ。
ひょっとしたら誰かによるフィクションかとも思ったが、
この文字絵もすべて一人で描いたとしたら
それはそれで凄すぎる。


October 13, 2004

相変わらずの日本

「沈黙のファイル―「瀬島 龍三」とは何だったのか」読了。

今月の月刊「現代」で
「野中広務 差別と権力」の著者、魚住昭氏が
この本が「渡邊恒雄 メディアと権力」などの原点だったと
書いていたので読んでみた。

結論からいうと、
「日本の官僚はいつの時代も変わらないねえ」。

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September 18, 2004

のだめ、フランスへ行く!

わが家全員(といっても3人)で
待ち望んでいた
「のだめカンタービレ」第10巻
が発売された。

これまでの話を知らない人には
意味のないことだけど、
いきなりフランス留学ということで
話が急展開して面食らったが、
読みすすめていくと
ちゃんと話が収まっているところに
作者の巧みさを感じる。

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September 12, 2004

俳句のお年頃?

新聞の書評で金子兜太について読んで、
amazonで本を探してみたら
「他流試合—兜太・せいこうの新俳句鑑賞」を見つけた。

大岡信の「百人百句」を読んで
気になっていた金子兜太が
僕とそんなに年の違わない、いとうせいこうと
俳句の本質について語り合っている。

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August 29, 2004

「爆弾証言」を読了

以前書いた「爆弾証言」を読み終わった。

他の本を読む合間に読んだので
時間がかかったが、
アメリカの国家安全保障の
内幕が分かって面白かった。

9.11のまさに1週間前の9.4に
著者がその年の1月に
開催することを要求していた
アルカイダについての
長官級会議がようやく
はじめて開かれたとの事実は
かなりの驚きだった。

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August 27, 2004

August 22, 2004

ゴルフの楽しみ

いつも寿司の話で楽しませてくれる
MADE IN JAPAN!で教えてもらった
「キャディに乾杯!」
amazon.co.jpに昨日注文したら、
アッという間に今日配達されてきた。

早速読んでみたが、
あまりにも面白くて3時間で読了。
「一流プレーヤーの隣でプレーを
観られるのはゴルフだけ」
という事実を徹底的に生かした
スポーツドキュメンタリーとして
とても楽しく読めた。

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August 15, 2004

一気に読了

今週の夏休み中に
「ダ・ヴィンチ・コード」上下2巻を読み切ってしまった。

上巻と下巻の中ほどまでは
ほとんどジェットコースターのような
スピード感で話が進んでいく。

原始キリスト教とヴァチカンの乖離をテーマに
難しい歴史話をわかりやすく勉強させながら
面白いストーリーに仕立てているのには感嘆させられる。
一読をおすすめする。

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July 21, 2004

テロの背景

ホワイトハウスの元テロ対策大統領特別補佐官が書いた
話題の本「爆弾証言 すべての敵に向かって」を読み始める。

アルカイダによる大規模テロの可能性を
進言し続けて受けいれられず、
9.11のテロの日を迎えてしまった無念が
ひしひしと伝わってくる

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プロ中のプロ?

ユニクロ社長の愛読書という
「プロフェッショナルマネジャー」を読んでみる。

企業家ではないサラリーマンの身としては、
「第二章 経営の秘訣」の”三行の経営論”と
「第九章 数字が意味するもの」が特に面白かった。

なかでも、
「数字が強いる苦行は自由への過程である」という言葉は
ずっと経理畑を歩んできた筆者の実感だろう。


June 13, 2004

「山本昌邦備忘録」

現五輪代表監督の本「山本昌邦備忘録」の
文庫本が出たので読んでみた。
単行本版も持っているのだが、
印象的なのは、
山本監督の「水分補給」に対する
専門家としての高い自負。
この点に関するトルシエの無知を
かなり批判している。
長い間、暑い東南アジアの気候に
苦い経験を続けてきた日本サッカーの
経験値なのかもしれない。

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March 18, 2004

「マネーボール」

「マネーボール 奇跡のチームをつくった男」は、
現在の日本のプロ野球、そしてプロ野球報道に
物足りなさを感じている人ならぜひ読んでほしい。

自分の勘に頼って「選手の素質」「未来の姿」を重視する
これまでのスカウト達と全く逆の発想の
GM(ゼネラル・マネジャー)の話である。

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「慟哭—小説・林郁夫裁判」

「出版禁止の仮処分命令」を受けた
記念碑的な「週刊文春」に、
佐木隆三氏がオウムの林郁夫を書いた
「慟哭—小説・林郁夫裁判」の書評が載っていた。
評者の高橋秀美氏は
村上春樹「アンダーグラウンド」のスタッフとして
被害者を取材した経験があるという。

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February 19, 2004

「俳句的生活」

長谷川櫂氏著の表題書を読んで、
注釈書の俳句分析を一刀両断にしたり、
旧暦と新暦の時間の流れを整理して批判したり、
分析にはかなり感心させられた。

ただし、合間に載っているご本人の句作には
一向に感心しないのは僕の感性が鈍いのか?


February 09, 2004

すごいやり方

面白い本をみつけた。

「すごいやり方」には、
人生をより賢く生きるために
役立ちそうな知恵がつまっている。
それも、それぞれたった1行のフレーズで
覚えられるので、使ってみたくなる。

気に入っているのは、
「はぁ、わかりました(Fuck you)。」というやつ。
言葉のうしろに、「Fuck you」と「Love」の
どちらが付いているかを聞き分けのだという。


October 25, 2003

生きるための・・・

許光俊「生きるためのクラシック」を読了。

いくつか聴いてみたいCDがあったが、
まず見つけたのが、
ムラヴィンスキー「1979 Tokyo Live ベートーヴェン交響曲第6番」
(キングインターナショナル)だった。

なぜかamazonのリストにはないけれど、
音もかなりよくてビックリ。

記録のためにとキチンとその場で
承諾を得て録った音としか思えない。
めっけものです。


なぜいま若尾文子?

「映画女優 若尾文子」を読んでみた。

四方田犬彦と斉藤綾子の両氏による論文と
若尾文子本人のインタビューからなる本。
まずインタビューを読んで、ふむふむと盛り上がり、
四方田論文で若尾文子の映画が無性に観たくなったが、
斉藤論文の文章は硬すぎて読めなかった。

本を読み始めた日の夜に
CSN1で増村保造の「青空娘」をやっていて、
後半半分だけ見ることができた。

さわやかな映画のように見えたが、
ホントは妖艶な若尾文子の方が観てみたい。


September 09, 2003

一気読み

横山秀夫「クライマーズ・ハイ」
日曜日昼に買って夜には読み終わってしまった。

世代間の対立をややオーバーに
描きすぎている気もするけれど、
事故自体の迫力と新聞社内の臨場感で
読み出したら止まらない。


September 03, 2003

無の力

「無用の達人―歌人山崎方代伝」読了。

 手のひらに 豆腐をのせていそいそと いつもの角を曲りて帰る

こんな、とぼけた味の短歌を書く人はどんな人か?
その疑問に丁寧な調査でこたえた力作。
方代(ほうだい)氏の「嘘つき放題」ぶりが
ある意味で爽快。
凡人には辛くもうらやましい人生だ。

まだ全部は読んでいないが、
方代の歌を今の人向けにポップに編集した
「こんなもんじゃ 山崎方代歌集」もおすすめ。


August 25, 2003

上海のJazz

「上海ブギウギ1945―服部良一の冒険」
1日で一気に読んでしまった。

「新しい日本のポップスを作る」という
幸せな目標のみで一人生を通しきってしまった
幸せな男の物語だ。

おもわず、
「服部良一/僕の音楽人生」
「李香蘭 / 蘇州夜曲 (SP盤復刻による懐かしのメロディー)」
「李香蘭 私の半生」などを
アマゾンで注文してしまった。


August 16, 2003

またまたカレー本

「ごちそうはバナナの葉の上に―南インド菜食料理紀行」
イーエスブックスで購入して読了。

こちらはどちらかというとエッセイ。
以前紹介した「カレーな薬膳」の方が
レシピはしっかりしているし、
編集も神経が行き届いている。

でも、南インド全体についての情報と
雰囲気についてはこちらの方が分かりやすい。
やはり先に出た本だけのことはある。


July 09, 2003

カレー三昧

「カレーな薬膳」を買って、
南インド料理をいくつか作ってみた。

ムング・ダルという緑豆のカレーや、
黒ごまのチャトニ(チャツネ)など
野菜が多くて食物繊維をたくさんとれそうだ。

この間の土曜日にはすべて
南インド料理の夕食にしてみた。


June 19, 2003

Paris! Dada! Surrealism!

「マルセル・デュシャン 」を読了。

デュシャンが20世紀美術のほとんどの流れを
先取りしていることが分かる。

それにしても女によくモテる。
ほとんどヒモ状態の時期が多いが、
だれにもあまり恨まれないところが、
人徳か。

ちょっと前には、
「マン・レイ 写真と恋とカフェの日々」も読了。

こちらも男女関係入り乱れている。
モテないやつは芸術家になれないかのよう。

マン・レイは、キキ、リー・ミラーの2人の美女に、
モデルとして、パートナーとして
大いに助けられているのがよく分かる。

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June 16, 2003

安藤昇

「激動?血ぬられた半生」を読了。

「いやあ、才人ですね。
才能ある人は何やってもサマになる」
が感想。
文章もクイクイ読める。


June 10, 2003

May 19, 2003

パリは嫌い?

ヘミングウェイの「日はまた昇る」を読んで以来、
そしてアンドレ・ブルトンの「ナジャ」を読んで以来、
大好きなパリのアントル・ゲールの話。

最近、カルヴィン・トムキンスの素晴らしい伝記
「マルセル・デュシャン」を読んでまた興味がわいてきた。

「マン・レイ 写真と恋とカフェの日々」は、
amazonで現在品切れのようだが、
入荷したら注文してみたい。

でも、パリの話は読む分にはいいのだけど、
一度だけだが、行ったときの印象は最悪だった。


April 28, 2003

表と裏

「赤坂ナイトクラブの光と影?『ニューラテンクォーター』物語」を読了。

ヤクザも政治家もお客さんなので、
すべて「さん」づけなのが鬱陶しいが、
華やかな良き時代を知ることができる。
アッという間に読める本。


April 25, 2003

「鼻が高けぇ」

「疵ー花形敬とその時代」 を読了。

当時の世相が分かって面白いが、
資料が少ないせいか、
花形本人の肉声がやや聞こえてこない。
隔靴掻痒の感じが否めない。


April 18, 2003

四方田犬彦の韓国論

「大好きな韓国 NHK人間講座」を読了。

韓国の1980年と2000年の間の大きな変化が
手に取るように分かる面白い本。
同名の単行本がポプラ社から出ているようだが
内容は目次を見る限りほぼ同じようだ。

次は、2002ワールドカップを経た韓国を書いてもらいたい。


March 12, 2003

ジャリ

僕の好きな「優雅な生活が最高の復讐である」を書いた
カルヴィン・トムキンズの新作
「マルセル・デュシャン」を読んでいたら、
アルフレッド・ジャリの”最高傑作”として
「フォーストロール博士言行録」が紹介されている。
国書刊行会から刊行されたようだが、
入手はなかなか難しそうだ。


March 09, 2003

OH! キャロル

「チェシャ猫はどこへ行ったか?ルイス・キャロルの写真術」を読了。
ルイス・キャロルの豊かな想像力は
彼の写真の知識を下敷きにしていたという論考。

最後の方は少しだれるが、
今日の日経の1面広告にでていた
「不思議の国のアリス・オリジナル(全2巻)」を読みたくなる。

また、キャロルの写真がたくさんあるのも魅力。
キャロルの友人だった僕の最愛の写真家、
ジュリア・マーガレット・キャメロンについて
言及がないのは寂しい。


March 06, 2003

ハムカツが食べたくなる本

「まぼろし闇市をゆく 東京裏路地「懐」食紀行」を読了。

新宿の「ションベン横丁」のような、
かつての闇市的場所と店を求めて歩くルポ。
店の紹介が中心で、
おいしそうなジャンクフードがぞくぞく登場。
白眉は、大久保の彦左小路。

欲を言えば、もう少し長目に書いてくれるとよかったかも。
それと、場所の写真がもっとほしいところ。


February 25, 2003

深い洞察の書

ローレンス・レッシングの「CODE」につぐ第2弾。
「コモンズ」

例えてみれば、ノーガード戦法の薦め。
または、「水清ければ魚住まず」かな。
規則というのは守りすぎると良くないということを
説得力を持って熱弁している。


February 24, 2003

もう1冊の金城小説

書き忘れていたけれど、金城一紀の
「対話篇」を読了。

「記憶」をキーワードにした純文学系の作品だが、
なんだか”似合わない感じ”が残る。
それでも読後感はいいし、
クイクイ読める。
金城ファンなら読んでおきたい。


February 13, 2003

金城一紀の新作A

私のお気に入り「レヴォリューションNo.3」の続編、
「フライ、ダディ、フライ」を読了。

うまい作りの話でクイクイ読ませるが、
このネタなら、短編で読みたかった。
そして、前作のように3編くらいを読みたかった。

新作B「対話編」はまだ買っていない。


February 08, 2003

本の中の寿司屋

前に書いた「キッチン・コンフィデンシャル」の中に
大好きな六本木「奈可久」が出てくる。

地下の店で、氷柱と冷凍酒が出てくるので間違いない。
「あんた、分かってるね!」っていう感じかな。


February 05, 2003

キッチンの裏側

「キッチン・コンフィデンシャル」
現在読み始めたところ。

2001年の「本の雑誌」ベスト10で8位だけあって、
NY料理界の裏側が分かって面白い。
今読んでいるくだりでは、
「なぜ、月曜日に魚料理のスペシャルを頼んではいけないか」
など、実用的(?)な暴露話が展開されている。


December 19, 2002

読書2題

「中国から日本が見える」は、
第1章のタイトル「いまの中国経済はワイルドキャピタリズムである」が
すべてをあらわしている。

「紙表紙の誘惑?アメリカン・ペーパーバック・ラビリンス」は、
ペーパーバックス出版史を勉強しながら、知的興奮が得られる。
(最後の方がやや息切れ気味なのは残念だけど・・・)

どちらもオススメです。


December 05, 2002

ポパイ!

「証言構成『ポパイ』の時代?ある雑誌の奇妙な航海」
年寄りのたわごとと感じる人もいるかもしれないが、
出版の原点がある。


October 10, 2002

世の中、パブリシティが重要

講談社ノンフィクション賞、
新潮ノンフィクション賞をダブル受賞の
「ドキュメント 戦争広告代理店?情報操作とボスニア紛争」は、
書評でずいぶん取り上げられていたが、
現代のパブリシティ戦争の怖さを、
分かりやすく教えてくれる。

こういう、抜け目のない相手に狙われたらと思うと、
空恐ろしい気持ちにさせられてしまう。
必読。


大沢在昌の新刊

「砂の狩人」(上・下)

2日で一気に読んでしまった。
特に1巻目はグイグイ読ませる。
中国人の問題は、やはり奥が深いなぁ。


September 18, 2002

モノクロ写真の魅力

「写真生活」(晶文社)は、
さすが装幀家・デザイナーの本だけあって、
洒落た本だ。

ちょっとマニアックさに欠けるのが不満点だけど、
写真集が無性に買いたくなる。
もっと危険なのは、
オリジナルプリントが買いたくなる可能性も・・・。


September 05, 2002

歌舞伎町案内人

「歌舞伎町案内人」(角川書店)

歌舞伎町で外人専門のガイドをしている中国人の話。
抜群に面白い。私の身の回りで大ヒット中!
ちょっとホワイティングの「東京アンダーグラウンド」のテイスト。