かつてリブロポートから出ていた
僕の大好きな本「優雅な生活が最高の復讐である」が
新潮文庫から出ていた。
ピカソやヘミングウェイやフィッツジェラルドを魅了した
”生活の達人”、ジェラルド&セーラ・マーフィー夫妻の
アメリカを離れてヨーロッパで暮らした日々を描いた本だ。
小口をピンクに染め、
”組版設計”のクレジットまであった
旧版の凝った造りにはとうてい及ばないが、
文庫もまあまあしゃれていると思う。
文庫版は、
著者カルヴィン・トムキンズの序文と
ジェラルドの新しい絵についての写真等が追加され、
最終章が書き直された”決定版”とのこと。
トムキンズがマーフィー夫妻の隣人だったという
本の成り立ちを書いた序文が
とてもいい感じで、
アッという間に読み直してしまった。
Living Well Is the Best Revenge.
という書名の元となっているスペインの諺を
年賀状に書いて、「どういう意味ですか?」と
きかれたのも懐かしい思い出だ。
これを読んだら、
前にも書いているトムキンズの傑作
「マルセル・デュシャン」も、ぜひ読んでほしい。