March 12, 2005

うれしい名作エッセイの復刊

書店に行ってみたら、
うれしいことに
伊丹十三のエッセイ3作が
新潮文庫で復刊されていた。

「ヨーロッパ退屈日記」
「女たちよ!」
「問いつめられたパパとママの本」

伊丹十三は最近は映画監督としての方が
とおりがいいかもしれないが、
俳優として1960年代から
ヨーロッパで暮らした著者が、
当時としてはとてもモダンな感覚と
ほのかなユーモアを発揮した
これらのエッセイをぜひ読んでもらいたい。

伊丹監督の映画にも通底する
雑学とユーモアのミックスが心地いいはず。

僕の一番のお気に入りは
「ヨーロッパ退屈日記」に収録されている
「スパゲッティの正しい食べ方」。

同じ本に入っている
「スパゲッティの正しい調理法」とともに
はじめて読んで以来30年くらい経つが、
僕のスパゲッティの食べ方は
いまだにこのエッセイの影響下にある。

この本を読んで気に入ったら
伊丹十三の他の本も読んでほしい。
おすすめは彼の翻訳によるサローヤン。

「パパ・ユーアクレイジー」

主語が省略されることが多い
日本語の曖昧さを嫌って
主語を必ず訳すというちょっと不思議な翻訳で、
サローヤンの本なのか伊丹十三の本なのか迷うくらいだ。
(岸田今日子ほかの翻訳による
「ママ・アイラブユー」もおすすめです)

そして、いま本が手元にないのでうろ覚えだが、
「フランス料理を私と」がよかった。
懇切丁寧な写真で手順を教えてくれるこの本で、
フランス料理のソースが
いかにバターをたくさん使うかを
思い知らされた懐かしい本だ。

[Books&Magazines] Posted by tokuo | TrackBack
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