どこで見たのか忘れたが、
ブログで紹介されていた
西成活裕「渋滞学」を読了。
車の渋滞をどう理解するかから始まって、
人やアリの行動からネットワーク上の渋滞まで
世の中の様々な”渋滞”を横断的に理解するための
”渋滞学”のおおまかな全貌を紹介している。
現実の世界を理解するためのモデル化や
ゲームの理論など科学的な思考法も紹介しながら
渋滞の解決法をいかに見出すかを
知的興奮とともに紹介している。
著者が最も言いたかったことは、
「分野横断的な人材の必要性」だ。
基礎理論と応用の橋渡しをする
いわゆる”学際的な人材”だと思うが、
それを具体的な”渋滞解消”という
問題解決をきっかけにしながら
実現しようとしているところがユニークだ。
基礎理論の重要性を明解に例示した好著として
強くオススメします。
とにかく、
この本の中に出てくる
セルオートマトン、ASEPという
キーワードは要注目だろう。
もし若かったら、
「基礎数理物理の直接工学応用をめざして」を標榜する
著者主催の研究室「西成総研」に
入りたくなってしまうかもしれないなあ。