March 06, 2007

理論が現実を変える?

どこで見たのか忘れたが、
ブログで紹介されていた
西成活裕「渋滞学」を読了。

車の渋滞をどう理解するかから始まって、
人やアリの行動からネットワーク上の渋滞まで
世の中の様々な”渋滞”を横断的に理解するための
”渋滞学”のおおまかな全貌を紹介している。

現実の世界を理解するためのモデル化や
ゲームの理論など科学的な思考法も紹介しながら
渋滞の解決法をいかに見出すかを
知的興奮とともに紹介している。

著者が最も言いたかったことは、
「分野横断的な人材の必要性」だ。
基礎理論と応用の橋渡しをする
いわゆる”学際的な人材”だと思うが、
それを具体的な”渋滞解消”という
問題解決をきっかけにしながら
実現しようとしているところがユニークだ。

基礎理論の重要性を明解に例示した好著として
強くオススメします。

とにかく、
この本の中に出てくる
セルオートマトン、ASEPという
キーワードは要注目だろう。

もし若かったら、
「基礎数理物理の直接工学応用をめざして」を標榜する
著者主催の研究室「西成総研」
入りたくなってしまうかもしれないなあ。

[Books&Magazines] Posted by tokuo | TrackBack
Comments
Post a comment









Remember personal info?