長期拘留と再逮捕をちらつかせて、
強引に調書を取る検察の手口に寒気を覚える。
”国策捜査”でなくとも、”決めつけ捜査”で
人生を台無しにされてはたまらない。
「お笑い大蔵省極秘情報」とともに、
日本の権力機構を考える必読書だと思う。
「あとがきのあとがき」で描かれる、
宗像主任検事(当時)との
オペラを巡る交流に救われるが、
逆に職務にあって上司に命令されたときの
正義感と主体性のなさに、
太平洋戦争時の参謀の無責任さに
通じるものを感じて
われわれ日本人の突っ走ってしまう気質の
恐ろしさに肌寒い思いがする。