どこの会社か忘れたが、
たしか出版社の広報誌の編集後記だった。
「ボン書店の幻」が褒められていた。
文庫化に当たって
「文庫版のための少し長いあとがき」が加筆されていて、
そこに”本が起こす奇跡”が書かれている、と。
読んでみると、
昭和初期にモダンな詩の
瀟洒なデザインの詩集を出版して、
風のように去っていった出版社の
軌跡を訪ねた本文自体も素晴らしい。
しかし、本書の出版後に
主人公・鳥羽茂の妹から電話がかかり、
その後の人生が明らかになる。
(そして、「茂」は「いかし」と読むことも!)
そして、
著者は鳥羽の息子さんにまでたどり着く。
「あなたのご本を読んで、親父に会えました」
父親の記憶がない息子さんの
言葉がすべてを表している。
本好きなら必読です。
[Books&Magazines] Posted by tokuo | TrackBack