May 20, 2005

一気に読める「半島を出よ」

ちょっと前になるが、
村上龍「半島を出よ」を読了した。

この小説の評価については
賛否両論あると思うが、
北朝鮮の反乱軍が福岡を占拠、
九州を制圧しようとするという
設定は秀逸と思う。

実際に、
このシチュエーションで日本の首相だったとして、
どう対応できるかを考えてみても
けっこう難しいと思う。

最初の反乱軍チームが
福岡ドームを占拠した時点で
犠牲覚悟で殲滅しない限り
後はどうしようもないという感想を持った。

読後感として際立っているのは、
北朝鮮のメンバーの気持ちが
かなりリアリティを持って迫ってくるということ。

安穏な日々を送っている人間に
あそこまでのリアリティを持った”意志”を
持ち得るかどうか、
考えさせられてしまった。

中田英寿も書いているけど、
最初は多数の登場人物が出てきて大変なのと、
最後がもっと長くてもいいかなと思うが、
じゃあどんな結末がいいのかというと、
このままでいいような気がしてくる不思議な小説だ。

あまりにも話題になっているので
13歳の娘も読んでみたいと言っているが、
この血なまぐさい小説を
はたして薦めていいものかどうか、
迷うところ。

[Books&Magazines] Posted by tokuo | TrackBack
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