March 30, 2008

満開の桜の下で

昨日、
井の頭線の急行の1両目
中ごろに乗って本を読んでいたら、
汽笛が鳴った。

ふと目を上げると、
電車はどこかの駅にさしかかるところ。
ブレーキもかけているようだ。

その後、
ドーンという衝突音のあとに、
車両の下を
カラカラという音が走り抜けていった。

人身事故だった。

場所をよく確認すると、
高井戸の高架から渋谷方面に
一直線に降りていくあたり。
左右ともに満開の桜が咲いていた。

電車の先頭で
前を眺めていたらしい若者が、
蒼い顔をして頭を抱えていた。

その時読んでいたのが、
萩原健一の自伝「ショーケン」

「スキャンダラスな男の激烈な自叙伝」
というふれこみの期待を上回る面白さだった。

自己弁護が入っているとは思うが、
想像以上にクリエイティブな方向を
目指した男のもがきように共感できた。
神代監督との映画「もどり川」は、
一度観てみたいと思う。

大麻で逮捕、離婚などで
何度も地獄を見た男が、
お遍路をしたことによって
救われるところが、
個人的には面白かった。

しかし、その後にまた
恐喝で逮捕されてしまうところが、
人生怖ろしい。
警察にいったん目をつけられた人間の
更正が難しい理由も分かった気がする。

「傷だらけの天使」「前略おふくろ様」など
ショーケンのファンならば、ぜひ
一読をおすすめします。

ところで、
この本を読んでいたおかげで、
凄惨な場面を見ないですんだというのも、
人生の皮肉と言えようか。

事故にあった方の無事を祈りたい。

[Thoughts] Posted by tokuo | TrackBack
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