「1Q84」( BOOK 1・ BOOK 2)を読了。
初期の村上春樹の愛読者で、
しばらくちゃんと読んでこなかったが、
今回は2冊をほぼ3日で読み終えてしまった。
先日、
村上訳による
チャンドラーの「さよなら、愛しい人」を
読んだばかりだった。
以前読んだ「ロング・グッドバイ」は、
会話の口調が
今ひとつ気に入らなかったが、
この話ではマーロウも若いせいか、
テンポが良くて楽しめる。
「1Q84」は、
端正な文体と気の利いた比喩、
青豆と天吾が交互に登場して
次第に謎が深まりまた解決していく、
その構成感とストーリーの大きな流れの
気持ちよさとがうまくミックスして、
まさに「巻を置く能わず」だった。
解釈等は他のサイトにまかせるとして、
ぼくが思ったのは、以下のこと。
メモをしておこう。
まず、
BOOK 1が<4月ー6月>、
BOOK 2が<7月ー9月>であるからには、
BOOK 3、BOOK 4もあるだろうということ。
そして、すべてが完成すれば、
4楽章の交響曲のように
なるだとうということ。
(あるいは、本の中に出てくる
ヤナーチェクの「シンフォニエッタ」が
5楽章であるのにならって5楽章?)
参考)
→「極東ブログ」 [書評]1Q84 book1, book2 (村上春樹)
いずれにしても、これで小説自体が
終わってしまうにしても、
ストーリーの流れは
始まったばかりという気がする。
少なくとも青豆の再生と
次なる「父」の出現、または挫折が
少なくとも読者の頭の中で
描かれるのではないだろうか?
参考)
→「内田樹の研究室」 「父」からの離脱の方位
最後に、
セックスシーンが多くて
しかもそれが話の核心ということで、
娘に勧めにくいのが難点。
ノーベル賞の選考には
影響しないのかしら?