March 27, 2007

春樹調のマーロウ

村上春樹の新翻訳になる
「ロング・グッドバイ」読了。

途中からストーリーに魅了されたが、
前の清水俊二訳に慣れていたせいか、
読み始めは翻訳のトーンに違和感があった。

訳者が丁寧に訳すことを
目的としたせいなのかもしれないが、
最初のうちはややまどろっこしい印象。
会話が、
昔の日活映画を見ているようで
古風な会話調だと感じた。

イギリス英語の感じを
出したかったのかもしれない。
そして、
それこそが訳者の狙いだったのかもしれないが・・・。

でも、面白かったことは間違いない。
ストーリーというよりは、
フィリップ・マーロウと
テリー・レノックスの交情の哀感に
乾杯したくなる作品だった。

それにしても、
有名な”ギムレット”談義を抜きにしても、
酒が飲みたくなる小説だ。
なにせ、
登場人物がカリフォルニアの気候の中で、
うまそうな酒を飲むシーンが多すぎる!

[Books&Magazines] Posted by tokuo | TrackBack
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