January 24, 2011

ショパン・コンクール〜上には上が〜

日曜日の午後2時から、オーチャードホールで
<「第16回ショパン国際ピアノ・コンクール2010
入賞者ガラ・コンサート」
を観てきた。

1965年のマルタ・アルゲリッチ以来
45年ぶりに女性として優勝した、
ロシアのユリアンナ・アヴデーエワを
聴くのが楽しみだった。
座席は1階24列24・25番。
まあまあの場所。

各演奏者の曲目は次の通り。(※はアンコール曲)

ダニール・トリフォノフ(第3位)
  3つのマズルカ 作品56 より 第1番 ロ長調 / 第2番 ハ長調
  マズルカ風ロンド ヘ長調 作品5
  タランテラ 変イ長調 作品43
  リスト(パガニーニ編曲):ラ・カンパネラ※

ユリアンナ・アヴデーエワ(第1位)
  ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 「葬送」 作品35
  バッハ:パルティータ第1番より“ジーグ”※
   *
フランソワ・デュモン(第5位)
 アンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズ(オーケストラつき)
  ドビュッシー:「月の光」※

ルーカス・ゲニューシャス(第2位)
  ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 作品11
  ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番 第1楽章のカデンツァ(グレン・グールド)※
   *
インゴルフ・ヴンダー(第2位)
  ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 作品11
  ショパン:マズルカ Op.24-2※
  モーツァルト(ヴォロドス編曲): 「トルコ行進曲」※

なかでは、やはり
1位をとったユリアンナ・アヴデーエワの
「葬送」ソナタが白眉。
強弱のダイナミズムと構成感が抜群だった。
クライマックスは、
葬送の章の中間部の弱音。
ホール全体の聴衆を
彼女の磁場に引きつけてしまう。
低音部の力強さも女性とは思えないほどで、
音の強弱の幅と階調の豊富さで、
さすが他を圧倒していた。

もうひとり印象に残ったのは、
2位だったというインゴルフ・ヴンダー。
コンサートのトリを
アヴデーエワと交代で担当してるようだ。

同じ2位のゲニューシャスと、
ピアノ協奏曲1番を競演だったが、
オーケストラとの息の合い方、
駆け引きのうまさが各段に違った。
(最後だったせいかも?
我々が眠気に襲われたせいか?)

前回のコンクールでも
セミ・ファイナリストだったというヴンダーは、
アンコールも手慣れたもの。
マズルカに君が代を混ぜたり、
トルコ行進曲を超絶技巧編曲で聴かせたりして、
聴衆の大喝采を浴びていた。

格が一枚上の感じで、
アヴデーエワ以外の奏者は
曲目のせいもあって気の毒だった。

しかし、
上には上がいるものです。

[Music] Posted by tokuo | TrackBack
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