January 17, 2005

すきやばし次郎

先週、隣に店を出している
バードランドの和田さんに無理を言って
「すきやばし次郎」の予約をとってもらった。

小野二郎さんがみずから握る鮨を
どうしても一度食べたかったからだ。

昼だったのでお酒なし。
たぶん正味時間は30分。
「おすすめだけ食べて2万円」という
本で読んだ情報どおりだった。

食べ終わってすぐには、いろいろと感想があったが、
しばらく経ってその素晴らしさが分かった気がする。

まず、印象に残ったのは、握る姿の美しさ。
修行した時代から考えると異例とも思える
左利きで握るやや大きめの鮨は
きっちりキレイに揃っている。
握るスピードも簡単にはマネができないだろう。

お客さんを喜ばせる
様々な趣向を凝らす現代の”料理人”とは違って
いつもきっちり仕事をこなす”職人”なのだと思う。

将棋でいえば
升田幸三が”料理人”で大山康晴が”職人”か。
それとも、米長邦雄と中原誠?
最高にキレるときは升田・米長は凄いが、
長い年月を経ると大山・中原が勝ち残っている。
小野二郎さんもそういったタイプなのかもしれない。

それよりも、時間が経ってから身にしみるのは、
それを理解して食べ続けたお客さんたちだ。
庶民にとって「高い!」と思える値段の鮨を
食べ続けた人たちがいたからこそ
「すきやばし次郎」の鮨が今も食べられる。
その事実に頭が下がる。

このお店が近くにあって資力があれば
毎日食べに行く人がいても驚かない。

そして、もっとも印象に残ったのは、
客が帰るのを必ず見送るらしいこと。
「日本一」とか言われて、しかもかなりの高齢で
なかなかできることではないと思う。

[Food&Drink] Posted by tokuo | TrackBack
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