April 19, 2008

素晴らしい歌の秘密

内田樹さんのサイト
先日ぼくも買った
「ゴフィン&キング・ソング・コレクション1961-1967」について
素晴らしい文章が載っていた。

シープヘッド・ベイの夜明け

研究所の助手のジェリー・ゴフィンと
秘書だったキャロル・キングの
シンデレラ・ストーリー。
彼らが「Will You Love Me Tomorrow」
作ったときの話とその分析だ。

   キャロル・キングは[i]の音が美しい
   (これはわりと例外的なことである)。
   だから、ジェリー・ゴフィンは
   Will you love me tomorrow を書いたときに、
   この若い妻の歌声のうちでも
   とりわけ彼が愛していた[i]音を
   「きかせどころ」で無意識のうちに
   選択したのではないか、
   というのが私の仮説であった。

なかなか鋭いと思いませんか?
そして、二人のそのときの心境を
想像してこう書いた。

   この歌詞をメロディに乗せているとき、
   ジェリー・ゴフィンは21歳、
   キャロル・キングは18歳である。
   ブルックリンの貧しく若い夫婦が
   狭いアパートの台所で(台所にこだわってごめんね)、
   自分たちが今、これからあと数十年、
   もしかすると百年を超えて歌い継がれる
   かもしれない世界的名曲を作り出している
   のだという予感に震えている。
   その高揚感はいかほどのものであるであろうか。

しかし、この二人、
たしかダブル不倫となって
別れてしまうはずだから、
人生はむずかしい。

[Music] Posted by tokuo | TrackBack
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