May 23, 2008

圧倒的な演奏

スティーブ・ライヒが来る!
 なんとあの「18人の音楽家のための音楽」と
 「ドラミング」を演る!!!必見である!

「やまけんの出張食い倒れ日記」
上記のエントリーがあって、
ライヒがけっこう好きなぼくは、
早速チケットを手に入れて
昨晩、オペラシティで
そのコンサートを観てきた。

朝4時前から
欧州チャンピオンズリーグ決勝を観ていて、
とても眠かった夜だが、
最終的には
目のさめるような素晴らしいコンサートだった。

作曲家スティーブ・ライヒ自身も参加した
1曲目の「ドラミング パート1」は、
4人の奏者の叩く音が微妙にズレを起こし、
それが面白味となっている曲。
打楽器だけなのに、
複数の奏者が一致して叩く音は
ピアノの低音弦のような音がする。
それがベースか通奏低音のような
効果を出していて楽しめる。

2曲目の「プロヴァーブ」は、
ゆったりとしたやや宗教的な音楽だ。
音が気持ちいいのだけど、
この曲は眠くなった。
寝るための音楽によさそう。

メインの
「18人の音楽家のための音楽」は圧巻だった。
最初から、ライヒが”パルス”と呼ぶ
ピアノとマリンバなどの
ノリのいいリズムでスタートし、
メタロフォン(モーター無しのヴィブラフォン)が
学校のチャイムのような音を出すのを合図に、
ライヒが”ブレス”と呼ぶ
声と管楽器による音色というか
テクスチャーの波が切りかわる。

バス・クラリネットとヴァイオリン、チェロの
奏でるブレスがじつに気持ちいい音を出している。
どちらかというと無機質なパルスに
自然の息吹とでもいうものを付け加えて、
とても人間的な音楽になっているのが見事。
パルスの方も、ステージの上の演奏者が
場所や役割を交代したりして人間的な動きがあり、
観ていて興味深く、飽きさせない。

演奏全体はスピード感があって、
途中でマラカスの音が加わる瞬間は
とてもスリリングな一瞬だった。
いい音楽を聴いたときに感じる
永遠を感じる瞬間がこの演奏にもあった。

観客は静かに聴き入っていたようだったが、
最後には観客総立ちの
スタンディング・オヴェーションとなった。
作曲者自身がいたせいもあったかもしれないが、
それにふさわしい
素晴らしい演奏だったとぼくも思う。

ロック・コンサートのように
熱狂的に声をあげる観客に
何度も呼び出されてあいさつをする
ライヒもうれしそうだった。

今回演奏した
アンサンブル・モデルンによるCD
会場で買って帰ったが、
今後の愛聴盤になりそうだ。

[Music] Posted by tokuo | TrackBack
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