夕方にけっこう大きな地震があった夜は、
錦糸町すみだトリフォニーホールで
新日本フィルのコンサートだった。
座席は1階7列7番。
客の入りはイマイチで7分くらいか。
指揮者はなんと、昨年の震災当日に、
辿り着いた105人の伝説的な聴衆を前に
新日本フィルとマーラー5番を演奏したという
ダニエル・ハーディング。
曲目は、ショスタコーヴィチの
ヴァイオリン協奏曲第1番と
交響曲第10番だった。
地震のせいか
ソリストの崔文洙もオーケストラも
集中力が素晴らしかった。
崔のヴァイオリンは、
超絶的な技巧と朗々たる音の素晴らしさが
調和して感動的だった。
弾き終わるやいなや指揮者と握手するくらいで、
本人も快心の出来だったのだと思う。
この曲にも惚れた。
アンコールは、
パガニーニ「"うつろな心"の主題による序奏と変奏曲」。
モンスター的な曲芸を見せて喝采を浴びていた。
交響曲第10番も含めて、
快調にオーケストラをドライヴするハーディングは、
踊るように指揮しながらスコアをめくる姿も格好よく、
新日本フィルの力を120%引き出していたと思う。
管楽器の音色の絶妙な変化が印象に残った。
観客からはまさに万雷の拍手。
素晴らしい経験をさせてもらった。
ショスタコーヴィチの
ヴァイオリン協奏曲のCDを探して買ってみよう。